胃痛?背部痛?実は肋間神経痛でした

 

胃痛と背部痛を主訴とした肋間神経痛例を経験したので、ご報告します。

 

約一年ぶりのご来院で、前回の腰痛は1回で完治したとのことだったので、前回とは関係なく、胃痛と背部痛でのご来院

詳しく聞くと、2週間ほど前から胃痛があり、だんだん改善してきたが、背部痛がでてきたとの事。

胃に関しては、食欲不振など胃腸障害は自覚がなく、便秘、下痢もない。

背部痛に関しては、脊柱起立筋に沿って背中から腰の辺りまで立位、座位で痛み、しびれ感があり、うつ伏せや仰向けでは症状が出ない。

 

当初、内臓の炎症反応を疑って、圧痛、反跳痛(腹腔内の炎症を調べる手法)を確認したんですが、異常なし。

背部に関しても、圧痛は無はない。

 

炎症反応に関しては、これだけでは判断できないけれど、鍼灸院で出来ることは、筋肉の緊張をとることぐらいなので、一応脊柱起立筋全体に電気刺激

しかし、施術後に大きな変化はなく、もう一度細かく話を聞くと、胃痛というより、背中から側面に関しても痛みとしびれ感もあるとの事。

 

と云うことは神経症状に間違いないので、肋間神経痛を疑い、肋間神経の圧痛を確認すると、T9-12の肋間に圧痛が確認され、特に真横の神経突出部に強い痛みを感じたため、肋間神経痛の可能性が高いと考えました。

 

とはいえ、痛みは両側性であり、通常、肋間神経痛が両側に出ることは無いので、他の可能性も考えましたが、現状の情報では一番しっくりくるのは肋間神経痛。

 

そこで、通常の肋間神経痛の施術を左右に行ったところ、劇的に改善しました。

 

実は、5年ほど前に、知人が胸痛と背部痛で消化器内科を受診した際、肋間神経痛では無いかと診断されて、鍼灸でなんとかなりますかと相談に来られた際、肋間神経痛で胸と背中が痛くなるわけがないと判断して、他院での検査を勧めたら、食道癌だったことがありました。

 

そのため、今回もそれを疑ったんですが、両側性の肋間神経痛の場合、その真ん中に当たる、胃とか、胸とかの痛みとして体が誤認識してしまうことがあると云うことを今回学びました。

そもそも両側性の肋間神経痛は珍しく、資料によっては別の疾患を疑うべきだとも書かれていたので、この症例も単純な肋間神経痛ではないかもしれませんが、いずれにしても経過を見てみるしかないかなと考えています。

 

ご紹介したように、過去経験した胸痛と背部痛の症例は食道癌で、今回の胃痛と背部痛の症例は肋間神経痛(と思われる)でした。

 

同じような正中線上の痛みでも癌と肋間神経痛では対応が大きく変わるので、今後同様の症例に当たった際は、いろいろな可能性を考えて施術しなければならないと、改めて考えさせられた症例でした。