うつ病・自律神経失調症への取り組みについて 後編

『うつ病・自律神経失調症への取り組みについて 後編』

 

前回うつ病、自律神経失調症とはどういう状態かについてご紹介させていただきました。

では、鍼灸でうつ病や自律神経失調症に対して施術するときはどんなことをするのでしょうか?

そもそも、効果があるのでしょうか?

 

先程、うつ病と自律神経失調症は全く違う病気ということを書きましたが、施術を行う際には、うつ病と自律神経失調症に対しての施術方針は同じです。

 

東洋医学には「滞れば即ち痛む」という言葉があります。

 

流れの速い川は綺麗。流れの澱んだ川は汚い。

 

とも喩えますが、うつ病も、自律神経失調症も体の中の気・血・津液(血液以外の水分)が滞ったために起こると考えられますので、これらを動かせば良いわけです。

自律神経失調症の中には不眠症が強く出る方が多く、自律神経失調症ではなく「不眠症」の治療目的で来院される方も多いですが、いずれもアプローチ方法は同じです。

 

施術方法を簡単にご紹介すると、まずうつ伏せで、手足、首周り、背部と必要であれば腰部にも鍼をした上で、電気刺激を加えます。

電気刺激の量については、個人差があるので、初回はかなり弱めにすることが多いです。

ただし、あまり弱すぎるのも効果が出ませんので、程よい強度を探しながら行っていきます。

またこの時、消化器症状が強いようであれば、胃の真後ろあたりにお灸を加えます。

 

そのまま、10−15分電気刺激を加えた後、今度は仰向けになっていただき、腹部、脚部、前腕、顔面部の順に鍼を施していきます。

 

うつ伏せの時は、電気刺激を多く入れますが、仰向けでは顔面部のみ電気刺激を加えます。

電気刺激をしない部分は5mm程度の浅い鍼を使い、消化器症状があれば、腹部にお灸を追加します。

 

頭部には、頭頂部、額、耳後ろ、頬の付近に鍼を打ち、電気刺激を加えます。

このはりは大変心地が良いらしく、初めての方でも2−3分で眠りに落ちてしまうことが多いです。

経験的には、この頭部への施術で眠れるようであれば、何らかの改善が見られることが多いです。

極端な例では、病歴が浅い方でしたが、うつ病が1回で治ったことがありました。

 

自律神経失調症やうつ病に取り組んでいる鍼灸院は珍しいようですが、前職が精神疾患担当の製薬会社営業(MR)でしたので、この分野に関しては深い知識があり、せっかく鍼灸師になったので、うつ病や自律神経失調症で悩んでいる方々のお役に立てればと、積極的に施術に取り組んでいます。

 

実際、この方法で多くの方が改善していますが、

◆病歴が長い方

◆使用薬物量が多い方

◆統合失調症と思われる方

◆ご高齢の方

◆定期的な通院が難しい方

に関しては、鍼灸では難しい例がありますので、あらかじめご理解いただけますようお願いいたします。

 

うつ病、自律神経失調症というのは、なかなか出口が見えない、辛い状態ですが、私は、自分の経験も踏まえ、西洋医学と東洋医学をうまく併用することがこの辛い状態を抜け出すための最善の策と考えております。

 

薬を飲んでもなかなか改善が見られずお悩みの皆様。

ぜひ一度、当院の施術を試してみてください。

鍼灸治療はあなたの助けになれると信じています。

 

うつ病、自律神経失調症でお困りの方は、お気軽に当院までご相談ください。

いぶき館はあなたの笑顔のために全力を尽くします。