『顎関節症について』
顎関節症に関して時々ご相談をいただきます。
ただ、顎関節症単独ということは少なくて、他の目的で当院に来られたついでに、ご相談を受けることが多いです。
顎関節症の治療に関して、友人の歯科医に聞いたところ、「できれば関わりたくない」というものらしく、歯科医の考え方にもよるでしょうが、簡単だはないケースも多いようです。
鍼灸では、顎関節症に対して対応することが可能ですが、当然、これもケースバイケースです。
なんでも治せる訳ではありません。
とは言え、先日「顎の歪みは治せますか?」と常連の患者様から質問が届き、詳細を伺ったところ、顎関節から音がするようになって困っている、とい事でした。
鍼灸において(私の場合ですが)アプローチ方法は大きく二つ。
1、顎関節そのものに鍼で刺激を入れる
2、顎関節にかかわる筋肉へ刺激を入れる。
1の場合、耳の前にあたりにある顎関節に対して、細めの鍼を直接刺入して刺激します。
実は顎関節というのは肩の関節に似た構造をしていて、非常に複雑な動きに対応しているのですが、その割に小さい関節で、ここになんらかの問題が起きると顎関節症になります。
その小さな部分に鍼を入れる訳ですが、これは、入れるポイントも難しいし、関節が解ける感覚がわからないと出来ないので、難しい技術ですが、上手くいけばすぐに治ります。
2は、顎関節にかかわる筋肉。側頭筋などに対して刺激を入れる方法です。
これは当院でも、いろいろな目的で使う方法なので、やり慣れているし、リスクも少ない割には効果が高く、重宝しています。
先日来られた久しぶりの顎関節の症状さんは「音が鳴る」というもので、痛みは特にないが、口を開けると顎関節から音がするのでなんとかしたいというお話しでした。
この方は美容鍼がメインの施術目的でしたので、美容鍼に追加する形で、側頭筋を緩めるために鍼を二本だけ追加し、通電を10分ほど行いました。
これを行った上で、改善具合を確かめてから局所への鍼を追加しようと思ったんですが、お顔の鍼を抜いて、状態を確かめたところ、完全に音がしなくなり、治ってしまいました。
つまりは、側頭筋などの筋肉の緊張で、顎関節の腱が骨に当たっていたのが原因だったようで、簡単に治せて幸いでした。
これと同じように、肩関節が痛くて、動かすと音が出る、という方が、施術後は音がしなくなり、もちろん、痛みも改善するという経験を数多くしたことがあり、顎にしても、肩にしても、関節の音というのは付近の筋肉を緩めれば改善するのだろうと考えています。
今回は、顎関節症の一例として「音が出る」というものをご紹介させていただきましたが、これ以外にも「開きにくい」「開けると痛い」などの症状にも対応可能です。
顎関節症でお困りの方は、是非一度、お問合せください。
いぶき館はあなたの笑顔のために全力を尽くします。