「ギックリ腰になったらどうする?」
ある医療のお悩みサイトに、ギックリ腰に関しての質問に対して、医師(麻酔科)の回答は
「ギックリ腰=急性腰痛症は、腰椎の痛みです。関節が傷んでいます。腰椎にも関節はあります。傷んでいる関節が擦れる時、痛みが生じます。治癒は自然治癒です。早く治す方法はありません。腰椎を動かすと、回復が遅れます。ですから兎に角安静です。MRI検査は役立ちません。ただし1週間過ぎても痛みが軽くならないなら、他の病気(ヘルニア)を疑います。この時はMRIが必須です。(一部割愛) 」
と書かれていました。
これを読んで私は唖然としました。
ギックリ腰=腰椎の痛み 関節の痛み
と決めつけていることです。
そもそも、患者さんの状態を直接確認せずに、「ギックリ腰」と言う情報だけで回答している時点であってはならない事だと思いますが、このサイトの性質上仕方ないかもしれません。
話を戻しますが、そもそも「ギックリ腰」と言うものをきちんと理解していない医療関係者が多すぎます。
整形外科の医師でさえ、数人と話をした限りでは上記と同様の見解で、「早く治す方法はない。湿布と痛み止めで安静」と言う始末。
ギックリ腰については何度か書かせていただいているのですが、改めて整理すると、
ギックリ腰=急に動けなくなるほどの腰の痛みに襲われる現象全て
なので、「ギックリ腰=腰椎の痛み」ではありません。
私の経験した腰痛症例は1000件以上ありますが、腰椎が原因だった症例はほとんどありませんでした。
特にギックリ腰と言える症例は全て、「腸腰筋群」の問題ばかりで、それに付随して、脊柱起立筋や仙腸関節が問題を抱えていることはありましたが、メインは腸腰筋群と考えて良いものが殆どです。
そして、腸腰筋群の問題であれば、(前提として発症24時間以内というのはありますが)1度の施術で完治することも可能です。
完治できない例としては、高齢者や運動不足などでそもそも脚腰回りの筋肉量が少ない。筋力が低い方。長期的に慢性腰痛で悩んでいる方などです。
厄介なのは、慢性腰痛でいつも腰が痛い上にぎっくり腰になるという例で、これは正直治りにくいです。
なんせ、急性腰痛で痛めた部分を治しても、慢性的に痛い部分が残るので、完治に至りようがありません。
もちろん慢性腰痛も軽減はできますし、数回の施術でかなり改善はしますが、慢性腰痛というのはやはり生活習慣病みたいなものなので、鍼さえ打てばスッキリ!とは行きません。
つまり、対策としては、日頃から特に足腰、腹筋を強化し、腰痛にならないように備えておくことが重要です。
日頃から筋トレを欠かさないが腰痛に悩んでいる、という方はごく稀な筈です。(筋肉体操の近畿大学准教授 谷本先生は「筋トレのしすぎで腰痛がある」と話しておられましたが、あれは例外です)
具体的な施術方法については、前回記載しましたので今回は割愛しますが、いずれにしても「ギックリ腰=安静」なんてことは絶対にありません。
むしろ1週間も安静にしていたら、慢性化して治りにくくなる可能性さえあります。
「ギックリ腰かも?」と思ったら、是非、少しでも早く、当院にご相談ください。
いぶき館はあなたの笑顔のために全力を尽くします!