前回からの続き。
今回は、温める場合の話です。
急性期は炎症などを抑えるために血流を制限する必要があり、「RICE」を行うわけですが、回復期や慢性期においては豊かな血流が必要になります。
したがって、RICEの逆が良いわけです。
つまり、
血流の改善/温める/圧迫しない
と云うことが必要なのです。
簡単に言えば、急性期以外は、温めれば良いのです。
ただし、温める場所を間違えると効果が出ません。
慢性痛で多いのは、首、肩、腰、肘、膝ですね。手首なんかもあります。
ただ、難しいのは、肘とか膝です。
首肩腰に関しては、痛いところを温めれば良いのですが、肘、膝、手首といった関節が痛い場合は、痛い場所が悪いわけではない、と云うことが多いです。
そのため、温めるのは痛い場所ももちろんなんですが、その前後の筋肉。
痛い場所に負荷をかけている筋肉をほぐす必要がありますので、根本原因を探り、そこに的確に温熱治療を施す必要があります。
当院でやるならば、拘縮した筋肉に鍼で電気刺激を入れ、必要ならば患部にお灸を追加したりします。
さらに、可能であれば幹部にはサポーターなんかを巻いていただき、使い捨てカイロで継続的に温めるのも有効です。
温める以外の方法としては、筋肉の特性として、筋繊維に対して横方向に揉み解すと柔らかくなる(ほぐれる)と云う特性があります。
この時注意すべきなのは、できるだけ筋肉が弛緩した状態で行うことです。
ふくらはぎなら、膝を曲げ、足首を下に曲げた状態。
太ももならば、長座(脚を前に伸ばした状態で床に座る形)が一番弛緩した状態になるわけです。
他の部位も同様に一難弛緩した状態を探して、その状態で、筋繊維に対して横方向の刺激を加えるとほぐれやすくなりますので、これだけで肘痛、手首痛、膝痛などが改善することも多いです。
セルフケアについては、痛め方や、痛めた場所によって対応方法が変わりますが、何にしても鍼と日常的なケアを併用すると、改善が早いです。
あと、腰痛でお困りの方にいつも伺うのは「毎日入浴はしていますか?」
と云うことです。
お分かりいただいたように、慢性の痛みには温めることが有効。
お風呂に浸かるのは大変効果的なのです。
ところが、慢性腰痛で悩んでいるかたの多くは「シャワー派」なのです。
これは当院の聞き取り調査だけなので、正しい統計ではありませんが、シャワーはの方に慢性腰痛が多いように思います。
ちなみに私は「入浴派」なのですが、初めてぎっくり腰になったのが、まさに風呂桶に入ろうとした瞬間で、一瞬迷ったんですが、いつもより長めに入浴し、手にお灸して寝たら、翌日には結構動けるようになってました。
経験的にもは、腰痛は温めたほうが良いので、可能であれば、毎日お風呂で温めることで腰痛になりにくい体になると考えています。
捻挫、打撲、挫傷などの痛みでお困りの方。
これらは本来整骨院の担当なんですが、整骨院に1ヶ月以上通っても改善しないと云う場合は、鍼灸を試してみてください。
いぶき館はあなたの笑顔のために、全力を尽くします。