西洋医学と東洋医学は、考え方が違います。
一番大きな違いは、なんだと思いますか?
西洋医学に20年以上、東洋医学に関わって10年ですが、私が感じる一番大きな違いは生活習慣への関わりだと思います。
自分自身の経験で、MRをしていた頃、支店トップ、全国上位の成績を維持するため、毎日4時間半の睡眠時間で鬼のように働いていた時期がありました。
しかしそんな生活を続けて2年もした頃からひどい頭痛に悩まされ始め、「頭痛専門」の脳神経外科に通院。しかし1軒目の医者には「仕事辞めるか、死ぬしか解決方法は無い」と言われ、二軒目の脳外科で先生といろいろな方法を試した末、三環系抗うつ薬のセロトニンとノルアドレナリンの効果で頭痛を改善することができました。
しかし、鍼灸師として東洋医学を学ぶ中で、実はあの頭痛はただの寝不足であったことに気がついたのです。
そりゃあ、4時間半の睡眠で何年も生活していれば睡眠負債が蓄積して体調壊しますよ。
あの頃は、ほとんど「うつ状態」でもあり、今考えれば、よく生きてたなぁ、と思うほどですが、それほど仕事で追い込まれていたので、自分がうつ病とは思わず、抗うつ薬ものまずでしたが、まあ、いつの間にか(多分、退職を決意した頃)治ったのは幸いでした。
長くなりましたが、不思議なのは、お二人の脳外科医は、いずれも「生活習慣」「睡眠不足」には全く触れなかった、という事なんです。
私は通常、初診時の問診で必ず食欲と、睡眠時間、睡眠満足度を確認します。
それは、病気の原因の8割が食事と睡眠だから。
最初にこの話を東洋医学の授業で聞いた時は、ストンと府に落ちた感じがしました。
なるほど。そういうことか!
西洋医学は、病気を個別の事象として捉え、その事象を改善する薬を処方したり、オペをしたりしますが、東洋医学では、人間の全体をみて、根本原因を探ります。
もしあの時、脳外科の医師が、私の生活習慣に着目し、睡眠不足を指摘し、生活習慣の改善を提言してくれていれば、もっと短期間に頭痛は改善し、私は今も元気に会社員を続けていたかもしれません。
もっとも、仕事の鬼だった私は、睡眠時間を削るなんて、受け入れなかったかもしれませんが(笑)
西洋医学は、診断することと、お薬を処方する事と、オペすることしかできませんが、鍼灸では、直接体にアプローチして、原因を排除することができます。
私は西洋医学に毒されて、薬が全てを解決できると信じて、20年近くMRをしていましたが、やはり東洋医学的なアプローチを併用したほうがよりゴールには近づけるんじゃないかと今は考えています。
西洋医学を否定しているわけではありません。
西洋医学は素晴らしいものです。
ただ、現状、西洋医学は縦割り、細分化され過ぎているようにも思います。
もう少し、横断的に、人間全体をみて、問題の本質を見極めていただける医師が増えれば良いなと感じます。
いぶき館での経験でも、生活習慣を変えただけで症状が改善したという事例はたくさんあります。
原因不明の症状に悩まされている方は、一度、ご自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
実はほんの些細なことが、根本原因かもしれません。
いぶき館は皆さんの生活習慣の改善も含め、必要最低限の投薬で体が改善できるよう、様々な角度から健康増進のお手伝いをしてまいります。