人は、それぞれ、自分の持っている、生活習慣というものがあります。
毎日何時に起きて、朝はこんなものを食べて、週にこれぐらい運動をして、お酒を飲んで、何時ごろ寝て、などのように、いろんな習慣がありますが、あなたの生活習慣は、あなたの健康にとって正しいのでしょうか?
今回は、当院で今まで見てきた、生活習慣が原因で体調を崩した人たちのお話をしてみようと思います。
耳鳴というのは、実は西洋医学的には原因がわからず、当然治療方法も確立していません。なので、耳鼻科ではなんともならず、当院にご相談に来られる方は多いのですが、この方は生活習慣が原因で耳鳴が起こっていました。
当院では、特に内科系、耳鼻科系の疾患については生活習慣まで細かく伺うことにしています。
この方は睡眠時間が平均で4時間ほどとのことで、ご本人としては十分に睡眠時間が取れていると考えておられたんですが、現在では睡眠時間は最低でも6時間必要とされており、私自身4時間半の睡眠時間を2年ほど続けていて、頭痛に悩まされた経験もあり、睡眠不足が原因であろうとお話し、6時間以上の睡眠時間を確保していただいたところ、問題が解決しました。
また、最近の例では、「朝、体が怠くて起きられない」という方がおられたのですが、よくよく話を聞いてみると、エアコンが嫌いで、就寝時、足に扇風機の風を当てたまま寝ているということでしたので、扇風機を止めるようお話したところ、たちどころに改善されたと、喜んで頂きました。
これらの事例は、いずれも、自分の生活習慣は正しいと思い込んでおられた結果、自分の体調を自分で崩した例ですが、他にも腰痛を起こしやすい方は風呂につからず、シャワーだけで終わらす傾向が強いとか、冷えで悩んでいる方が、朝食に体を冷やすヨーグルトとバナナを食べていたとか、よくよく話を聞いていると、「それはダメでしょう!」というお話が出てくることも珍しくありません。
東洋医学的には、病気の原因の8割は「食事と睡眠」と言われています。
つまり、食事の内容が悪かったり、睡眠が不足していたり、質が悪かったりすれば、当然、体調は崩れてくるわけです。
とは言え、初診時に30分ほど時間を掛けても、こう言う真の問題は、患者さんの口から出てこない事も多く、何度か施術して、背術中にお話を聞いてると、ぽろっと出てくる事も多く、患者さんご自身が問題点と感じていないだけに聞き出すのが難しいと言う事もあります。
鍼灸をやっていると、つくづく東洋医学は生活そのもの、と感じます。
私も長い事MRなんて仕事をしていたので、医者の口から重要な情報を引き出すテクニックは散々駆使してきたつもりですが、患者さんの場合、どこに問題が潜んでいるかわからないので、確実に引き出す方法はなく、まだまだ未熟だなぁ、と痛感しております。
今後もスキルを磨き、患者様の生活習慣上の問題を少しでも早く、明確に引き出せるよう、努力していきたいと思います。