【主婦湿疹の治し方】
主婦湿疹というのをご存知でしょうか?
これは、主婦の方を初め、水仕事が多い方に多い手荒れ症状のことを指します。
もちろん、主婦に限らず、男性でも起こる症状で、手の皮膚の保護成分で有る皮脂が、洗剤、石鹸などで失われやすい環境におられる方に起こり易い症状です。
主な症状としては、
・水ぶくれがつぶれてジクジクする
・皮膚が赤くなりかゆみが出る
・皮がボロボロとむける
・水などがしみて痛い
・小さなブツブツや水ぶくれ、ひび割れができる
などです。
皮膚科的には症状に応じて、ヘパリンやワセリン、ステロイドが処方されますが、改善には時間がかかる例も少なくありません。
この主婦湿疹、実は鍼灸でも治すことができます。
方法は、割合に簡単なんですが、普通の鍼治療とは違う特殊な道具が必要なので、どの鍼灸院でもできるかというと、難しいかも知れません。
ここで使う技術は「刺絡(しらく)」という方法です。
普通の鍼治療では鍼の先端が丸くなっていて、「刺す」というよりは
「皮膚組織の隙間に鍼を差し込む」
というイメージが近いです。
そのため、痛みもほとんどなく、出血もまれです。
もちろん出血することもあるんですが、これは刺した時の傷というよりは、鍼を抜くときに鍼が皮膚を引っ掛けて傷ついたために出血することがほとんどで、抜くときに注意さえすれば出血することはほとんどありません。
そのため、当院では美容鍼や、その他の施術目的で顔面部、目周りにも鍼を多用しますが、出血が問題になることはほとんどありません。
しかし、「刺絡(しらく)」はその逆。特殊な道具を使い、わざと皮膚に少し切り傷をつけ、そこから血液をほんの少し絞り出します。
この「刺絡(しらく)」自体は、全身に多様な目的で使う技術で、瘀血(おけつ)を取り去る技法としてよく知られています。
主婦湿疹は東洋医学的には「熱」が籠もっているために発症している病と考えます。
そのために「井穴刺絡(せいけつしらく)」という、技法を使います。
「井穴」というのは、写真でしました様な爪の生え際の両脇の部分(爪甲角)の部分を指し、熱を抜くために使用するツボです。
ここに特殊な器具で少し傷をつけ、ほんの少し血液を絞り出します。
本来は、井穴は片手に5つしか無いのですが、それだと中指には井穴が無いことになり(別節ではあるんですが)治療ができないので、ここは無視して、主婦湿疹症状に近い爪甲角を使います。
経験的には1回で改善がみられ、3回もすると綺麗に治る例がほとんどです。
不思議ですけどね。
皮膚科で長く薬を塗っても治らなかった方でも、早々に治ったた事もありました。
東洋医学、恐るべしです。
今回は主婦湿疹についてご紹介させていただきました。
次回は痒みについてご紹介させていただく予定です。
主婦湿疹でお困りの方、是非一度鍼灸治療を試してみませんか?
いぶき館はあなたの笑顔のために全力を尽くします。