《肩の痛みについて》
整形外科に3ヶ月通院したが、変化がない!という方は珍しくありません。
しかも驚くべきことに、殆どの方は「四十肩(五十肩)」と診断されており、尚且つ、医師は肩に触らず、痛みの訴えとレントゲンだけで診断した、という方が大変多いのです。
「四十肩(五十肩)」というのは、正式には「肩関節周囲炎」と言いまして、「四十肩(五十肩)」というのは通称です。
日本整形外科学会のWebサイトによれば、肩関節周囲炎とは、「関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因」とされています。
要は関節の痛みなんですが、当院に来られる方の多くは、肩だけではなく、肘あたりまで痛いとか、痛みはないけど動かないとか、腕は上がるが下げると痛いとか、それはもう、様々な症状を訴えて来られます。
整形外科では、これらをまとめて「肩関節周囲炎」として湿布とリハビリをメインとして治療を行いますが、当院に来られた方々は湿布やリハビリでは効果がなかった方々ということになります。というのも、そもそも「肩関節周囲炎」ではないからで、治療方針が違うので、治るはずがない!ということなんです。
肩の痛みの原因は大きく分けて3つあります。
①頸椎症性神経根症
②肩周りの筋肉の拘縮
③肩関節周囲炎
これ以外の原因も多くあり、2つ以上の原因が重複して起こっているという事例もあります。
①頸椎症性神経根症への対応
「肩痛」の患者さんに対しては、まず、痛みが、肩の部分だけなのか、腕、指まで痺れや痛みがないか、を確認した上で、「頸椎症性神経根症」の可能性がある場合は、
・真上が向いて、頸椎に痛みが出るか(ジャクソンテスト)
・さらに左右に首を動かした際に、肩の痛みと同方向に痛みが出るか(スパーリングテスト)
・頸椎5番、6番付近に圧痛があるか
・背中の肩甲骨の間に痛みがあるが、圧痛はない状態か
などの確認を行います。
我々鍼灸師は、MRIやCT、エコーなんかを使うことができませんので、この様な手技を通じて症状の確認を行います。
昔のお医者さんが普通にやっていたことですけどね。
これらが全て当てはまればほぼ間違いなく「頸椎症性神経根症」で治療方針としては、首の後ろの真ん中辺りと、肘に鍼を打ち、1Hz程度の低周波の弱い電気を10分ほど流します。
「頸椎症性神経根症」だけであれば、これで劇的に改善します。
②肩周りの筋肉の拘縮
しかしながら、長期間に渡って痛みがある場合は、肩関節周辺の筋肉が凝り固まってしまい、痛みがある。または。痛みは無いけど、ロックがかかった様に動かない、ということもあります。
この場合は、さらに肩関節周辺の筋肉を一つづつ確認し、動きを妨害している筋肉を突き止め、ピンポイントで鍼刺激を与え、少しずつほぐしていきます。
そのため、1回で全快!というわけにはいかないのですが、1回ずつ、確実に動きか改善されていきます。
③肩関節周囲炎
さて、最後に本物の「肩関節周囲炎」ですが、実はかなり珍しいです。
今まで整形外科で四十肩、五十肩と言われてから当院に来られた方は300人以上おられますが、実際に「肩関節周囲炎」だった方は30人もおられません。
もしかしたら、最初は、「肩関節周囲炎」だったのかもしれないのですが、「肩関節周囲炎」の炎症による痛みそのものは半年もすれば収まるので、整形外科に行ってる間に炎症は治り、「動かない」という症状だけになってるのかもしれませんが、本当のところはわかりません。
「肩関節周囲炎」であった場合には、東洋医学的な施術で脚に鍼をする方法と、肩周りの圧痛点をピンポイントで潰していく方法の二つを併用します。
これもかなり効果があり、1−2回で劇的に改善する方も珍しくはありません。
長くなってしまいましたが、この様に肩痛には大きく3つのパターンがあり、正しく見極めないと、改善に対して遠回りをしたり、悪化したりということが起こります。
まずは、正確な診断を行うことが重要なのです。
肩の痛みでお悩みの方で、整形外科で長期間治療をしているが改善しない、という方
もしも、あなたの主治医の整形外科医が、肩に触ったりせず診断する様な医師であれば、
一度当院を試してみてはいかがでしょうか?
いぶき館は、あなたの正確な問題を突き止め、改善のお手伝いをさせていただきます。