<<便秘の治し方>>
便秘の治療だけを目的に当院に起こしになった方は過去お二人しか居られませんが、問診の際に便秘、下痢の有無を確認すると、多くの女性が便秘があるとおっしゃいます。
男性は下痢気味、女性は便秘気味の方が多く、女性が便秘気味なのは、横行結腸という大腸の横に伸びた部分が男性より長いために弛んで便秘を起こしやすいとも言われています。
皆様ご存知の様に、鍼灸は整形外科的な肩痛、腰痛などだけではなく、内科的な症状に対しても広く対応することができますが、便秘もその一つです。
便秘の解決方法としては、十分な水分摂取も大切な要因です。
「2リットルは飲まなければならない」という話もありますが、当院でお勧めしている飲水量は、体重に30を書けた数字。
例えば、50kgの人なら30を掛けて1500ccが適切な量となりますので、2リットルも飲む必要はありません。
その一方で80kgの人は2400ccほど必要となりますので、2リットルでは足りないのです。
この考え方を参考にご自分の飲水量を確認してみるのも大切かと思います。
しかしながら、セルフケアではなかなか、という方も多いので、当院で行っている便秘に悩んでいる方への施術方法をご紹介させていただきます。
大きく分けて方法は3つ。
①外ネーブル4点に対しての鍼刺激
これは、当院で一番多く使用している、細くて短い鍼をヘソ上下左右4箇所(中脘、天枢、関元)に浅く打ちます。
痛みはほとんありません。というより、鍼が刺さったことがわからない程度の刺激です。
この鍼は副交感神経を刺激して、消化器官を活発にする作用があるのですが、軽度の便秘であればこれだけで治ることも多いです。
ここに鍼をうつと「ゴロゴロ」と音を出して消化器官が動き出します。
結果お腹が空いたりするわけですが、慣れた方だと面白いことにお腹を出して鍼をうとうとしただけで「ゴロゴロ」とお腹が動き出すことが良くあり、条件反射みたいになっている方もおられ、鍼の効果の面白さを感じております。
②大横、腹結への鍼刺激
これは、本格的な便秘の方に行う方法です。
図で示したヘソの両脇12cm程度の位置の大横(だいおう)と、その下3−4cmの位置の腹結(ふっけつ)を使います。
今度は、先ほどより長めの鍼を使い、ここに少し響く程度の刺激を与えます。
結構強い響きがあるので、苦手とされる方もおられますが、それでも効果が高いので、鍼をして欲しいと言われることが多い施術です。
過去の例としては、1回で便秘が治ってしまった例もあり、もちろん個人差はありますが、大変効果の高い方法です。
③沢田流神門への灸
これは、場所が正確に判ればセルフケアでも使える方法です。
私が使うのは、上記2つをした上でこれを追加するので、沢田流神門への灸だけで便秘が改善するかは試したことがないのですが、重度の便秘の際には必ず併用する方法です。
ただし、お灸は熱めの物の方がよく、「せんねんきゅう」などを使うのであれば、温度が高めの物が良いですが、火傷をしやすいので、ご自分で行う際は注意してください。
当院で行う場合はもぐさを使ったお灸をしますので、一瞬強い刺激がありますが、火傷をする様なことは起こりませんので、ご安心ください。
十分な飲水量がある上で、ご紹介した3つの方法を併用すると、ほぼ全ての患者様で便秘が改善しております。
便秘で困りの際は、当院にお気軽にご相談ください。
改善のお手伝いをさせていただきます。