正しい診療科を選べますか?

《正しい診療科を選べますか?》

 

先ほど、患者さんと話しいて改めて感じたんですが、現在の日本の医療は大変高度化、専門家しており、幅広く、あらゆる疾患に対応できる様になりました。

 

その為、医師は細かく専門が分かれており、自分の専門外は診療しないのが通例です。

私の子供の頃は、近くに「診療所」と言うのがあつて、なんでもそこで見てもらえたんですが、今は、「診療所」なんて見かけませんね。

 

耳鼻科、眼科なんてのはまあ間違え様がないんですが、それでも、喉が痛いのは耳鼻科か呼吸器科か迷うことがあります。

実際私の場合、行きつけの呼吸器科で相談してたんですが、あまりに長引くので耳鼻科に行ってみたら、声帯ポリープだと判り、びっくりしました。

 

私は、製薬会社に23年もいて、1000人以上の医師と知り合いでしたので、何科がが何をしているのか、ほぼ100%把握できますが、一般の方が自分の症状と診療科を正確にミス日つけるのは、かなり難しいと思います。

実は私も「風邪をひいたら内科」と学生時代は思っていたんですが、風邪も喉・鼻系なら耳鼻科に行くべきだし、咳が酷ければ呼吸器科も考えるし、胃腸系に来るなら消化器内科に行かねばなりません。

風邪一つでこれですから、「なんとなく調子が悪いなあ」「眠れないなぁ」なんてなると、もうどうしたら良いかわかりませんね。

 

過去、私が鍼灸師として見てきた患者さんでご紹介すると、最初に行くべき病院を間違えた例として多いのは

1、肩の痛み、膝の痛み、腰痛、ギックリ腰→整形外科

2、気分の落ち込み、体調不良、不眠→心療内科

の2つのパターンです。

 

まずは整形外科について、

肩の痛みに関しては、整形外科に行くとほぼ100%触りもせずに「四十肩」と診断されますが、経験的には間違いがほとんど。

膝が痛いと言うと、「変形性膝関節症」と言われますが、これも大体は違う原因です。

少なくとも、私が見て100人程の膝痛の患者さんに「変形性膝関節症」は一人もいませんでした。全員、太腿の筋肉の張りをとっただけで劇的に改善しました。

ヘルニアよくある事ですが、画像診断だけで、古いものでも痕跡があれば「ヘルニア」と診断されますが、これも誤診が大変多く、別のアプローチをした方が早く治ることが多いです。

もう少し言うと、前にも書きましたが、余計な痛み止めを大量に出されてかえって体調が悪くなる例も散見されるので、注意が必要です。

ギックリ腰も整形外科では何もしてくれません。安静と言われて、湿布が出る程度ですが、治す手段がないので、整形は無駄です。ちなみに、整骨院はたまに治せるところがありますが、鍼より早く治せる手段を私は知りません。

 

次に心療内科

最近たまたま3例ほど続けて同じ様な事例がありました。

全て、「うつ病」と診断され、抗うつ薬、もしくは精神安定剤を投与されていましたが、以前にも書いた通り、(私自身が経験者ですが)うつ病の患者さんは、笑顔で会話なんかできません。そもそも意思疎通が難しくなるはずです。

 

ただ、最近は、「心療内科」と言うものが広く知られる様になり、「あれ?うつなのかな?」と考えた患者さんが、自分で判断して、心療内科に行き始めます。

ここで大切なのは、他の疾患もそうなんですが、これだけ細分化し、専門家して、どこが何をしてるのか正確に判らない一般の方が、自分の知識だけで診療科を選択し、通院しなければならないのです。

その為、自分の意思で心療内科の扉を叩いた方の大半が、何ら客観的な診断基準もないまま、「うつ病」と診断を受け、抗うつ薬を投与されるのです。

 

以前にも書きましたが、精神疾患に客観的な診断基準はありません。

全て医者の主観です。

なので、心療内科の扉を叩いた時点で、何らかの病名が付けられる事になります。

患者さんは、「ああ、やっぱりうつか」と医者を信じてお薬を飲むのですが、全然改善しない、なんてこともよくあることです。

何故効かないのか?それはうつ病ではないから。

世界初のSSRIであるプロザック(私の前職であるイーライリリーから発売されました。日本では未発売)は1988年の発売当時「新世代の抗うつ薬、奇跡の薬」とも言われ、多くの患者さんが「世界が変わった」と評する程で、確かに効果があったんですが、最近は、何でもかんでも「うつ病」と診断するものだから、最新お薬でも効かない例が増えて、結果、患者さんが薬漬けになる事例がたくさん出ています。

少なくとも1ヶ月きちんとお薬を飲んでも改善しない。または悪化したとすれば、それはうつ病ではないかもしれません。

信頼できる医師をなんとしても探し、再度診断してもらうことが必要と思います。

私は医師ではないので、診断はできませんが、症状を改善するためのお手伝いはすることができます。

 

整形外科や心療内科への受診をお考えの方。

もう一度、自分の症状を見つめ直してみませんか?

いぶき館は幅広くご相談を承っております。お気軽にご相談ください。