お薬の話

 

製薬会社を辞めて、鍼灸師になってはや7年

 

当院では、最初の問診の際に服薬中のお薬があれば、それらについても伺う様にしています。

と言いますのも、どういう薬を飲んでいるかで、その方の抱えている問題が理解しやすくなるからなのです。

 

今まで1500人以上の方から色々お話を伺ってきましたが、「なんでそうなるの?」と首をかしげたくなる様な処方が沢山ありました。

今回は、元薬屋の立場から、注意して欲しいお薬について、少し書いてみようと思います。

 

1、 痛み止めについて

整形外科で痛み止めをもらうことは多いかと思います。

と言いますのも、四十肩、五十肩、ギックリ腰、神経痛、などといった痛みを伴う疾患で整形外科を受診しても、整形外科ではその場で治すことはできないから、痛み止めと湿布を出して経過観察をするしかないのです。

なので、痛み止めを出すのは良いとして、過去見た「??」と思われるお薬として、サインバルタ、リリカ 、トラムセットがあります。

確かに3つとも「痛み止め」の効能がありますが、

まずは、サインバルタとリリカ

 

サインバルタはそもそも「抗うつ薬」だし、リリカは「線維筋痛症」という非常に重度な痛みが起こる病気の治療薬です。

ただこれらの薬は、その後適応拡大をして割と使いやすくはなっているのですが、注意して欲しいのは、二つとも

「眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険 を伴う機械を操作する際には十分注意させること。また、患者 に、これらの症状を自覚した場合は自動車の運転等危険を伴う機 械の操作に従事しないよう、指導すること。」ということが取り扱い説明書に書いてあるのですが、そんな話を処方される際に聞いたという患者さんは一人もいません。

 

さらにトラムセット(ジェネリックはトラマドール塩酸塩)ですが、これそもそも「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛における鎮痛」という縛りがついているので、まずは、非オピオイド系鎮痛薬を試してみる必要があります。非オピオイド系鎮痛薬というのはNSAIDsなど。例えば、ロキソニンなどのことです。

なので、いきなり「痛いの?じゃあ、トラムセットね」ということはしてはならんはずなんですが、こういう処方が非常に多いです。

 

痛み止め、もらうことが多いと思いますが、もらった薬についてきちんと薬剤師に説明してもらうか、自分で調べて、疑問があれば医者や薬剤師に質問する様にしてください。

 

睡眠薬や精神安定剤の話も書こうかと思ったんですが、長くなりましたので、またの機会に!