本日の症例は、「リベド血管炎」の方。
当院で施術を開始してから、丁度3年経ちました。
リベド血管炎という病気は、ほとんどの方がご存知ないと思うのですが、資料によれば、「下肢や腕に左右対称に皮斑が出る特徴の他、夏に足首より先に潰瘍を生じることがある。寒さで目立つものと逆に暖めると目立つものと、それらの混在する症状を持つ患者がいる。
また、血管に炎症が無く、皮斑は隆起が無く、痒みや痛みを伴わない。しかし、下肢に血栓を生じた場合や、皮膚表面に潰瘍ができた場合は、大変な痛みを伴う。
症状の重い患者の場合、潰瘍は治るのに時間が掛かったり、夏以外の季節にも潰瘍ができる場合がある。」
写真で見ると、黒く変色しているのがお解り頂けると思いますが、最も問題なのは、潰瘍ができて、痛いこと。
リベ度血管炎の施術方法なんて、鍼灸の教科書には載ってないし、もちろん、西洋医学的にはなすすべがないわけです。
私としては頼って来ていただいた以上、何とかしなければなりませんので、いろいろ考えまして、「熱を抜く」ということと、足裏の「湧泉」に特に黒い色が濃く出ていることから、腎経を中心に施術することを考えました。
ただ、それでけでは足りない気がしたので、腎を取り囲む全てに経絡への刺激とローラー鍼での全体的な刺激も追加しました。
その他にも色々と試したりしまして、当初問題であった「潰瘍の発生」「夏場の悪化」に関しては、ほど解決できました。
とはいえ、色の方は全体的に薄くはなったものの、完全に消えるわけではなく、まだ黒いままです。
ご本人の対策としては、着圧ソックスを履くことで、足の浮腫みが改善されているらしく、休暇中などで着圧ソックスを履かないと浮腫みやすい様ですが、潰瘍はほぼできなくなりました。
当初毎週行っていた施術も今は3週間に一度で維持しており、ご本人の転勤サイクルから来年の3月までがタイムリミットと思われるので、今後月一度で様子を見て、3月まで経過観察の上、施術は終了となる見込み。
このまま改善してくれることを祈るばかりです。