以前も書いたのですが、当院に来院される四十肩、五十肩で悩まれている方の多くは、実は四十肩、五十肩では無い、という驚くべき事実があります。
これらに関しては、四十肩、五十肩とは全く治療方法が異なるため、間違えられたまま長いこと通院をして、結局治らず・・・・、ということに成りかねませんので、早めに正しい診断を受けられる医療機関に行かれることをお勧めします。
四十肩、五十肩と間違われやすい症状としては、
①頚椎症性神経根症
②肩周辺の筋肉のこわばり
③胸郭出口症候群
などが挙げられます。
①の胸郭出口症候群については、以前にもブログで書かせていただきました。(2016年10月28日)
②に関しては、下図の通り、肩周辺にある、沢山の筋肉の内、一部がなんらかの原因でこわばる、硬くなることが原因で起こります。
この症状の特徴としては、自分で動かすと痛いが、他人に動かされると痛みが無い、ということがあります。
ただし、この症状が長く続いて肩関節を動かせ無い期間が長くなると、肩関節が固まってしまい、他人に動かされても痛い。という症状も併発します。
そうなると、四十肩、五十肩といよいよ区別がしにくくなるのですが、あとは痛みがある部分の違いで判断します。
この図で言うと、三角筋や上腕二等筋、上腕三頭筋などを押して、強い痛みがある場合(左右で比較してみてください)五十肩ではなく筋肉のこわばりである可能性が高いです。
治療方法としては、東洋医学的に経絡治療を行うよりも、この硬くなった筋肉に直接鍼を打ち、ほぐすのが即効性もあり、再発もしにくいです。
また、発症年齢が幅広いという特徴もあります。
四十肩、五十肩というのはその名の通り30代後半〜60歳ぐらいで発症するものなんですが、肩周辺の筋肉のこわばりは20歳前後でも発症します。
原因ははっきりとはわかりませんが、おそらくデスクワークや受験勉強などで長い時間動か無いことが多い場合になるのでは無いか?と推測していますが、はっきりとはわかりません。
従って予防方法は無いのですが、発症しても、鍼ですぐに治せるので、こういう場合は迷わず鍼灸院にご相談ください。
長くなってしまったので、③の胸郭出口症候群については、次の機会に書かせていただきます。