ブログ・メンタルクリニックの選び方(3)

さて、第3回目です。

さすがに今回で終わりにするつもりですが、長くなったらゴメンなさい。

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⑥お薬の処方内容に注意

お医者さんの考え方で、お薬の処方内容は変わってきますが、一番注意して欲しいのは薬の数です。

精神科のお医者さん、というのは、本来であれば米国みたいにカウンセラーを雇って、必要な患者さんにはカウンセリングを行う必要があるんですが、日本ではこのカウンセラーというシステムが定着していない上に、保険が利かないので、1回60分で2万円とか平気でかかったりします。

なので、精神科、メンタルクリニックの医師の仕事は、症状を見てお薬を処方するだけ。

しかも、精神疾患というのは血液検査やCTなんかではっきり判別できるものではないので、医師の経験による国際基準を基にした判断で病名を確定します。

そのため、うつ病だと思ってたら、躁鬱病だった、なんてことはよくある話で、ある意味不可抗力とはいえ、誤診もそれなりに存在します。

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すみません。話が少し逸れました。

で、お医者さんは薬を処方するわけなんですが、この時、まあ、最初はうつ病であれば

SSRIかSNRIというお薬が出るだろうし、統合失調症であれば抗精神病薬が処方されるわけなんですが、最初のお薬がいきなり4週間分でたりしたら、まずそのクリニックはやめてください。

普通は2週間、可能であれば1週間分をだして様子を見るのが理想的。

なぜなら、こういう精神疾患に使われるお薬というのは、投与の初期にいろいろな副作用が出やすいのです。

ですから、はじめての治療の際は、できるだけ1週間程度で再度来院してもらい、薬の効果や副作用を確認する必要があるのです。

それなのに、いきなり1ヶ月後にまた来てね!なんて処方をする医者がいたら、即刻通院を止めてください。

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次に、二回目以降の通院時の話です。

最初に処方されたお薬が効いていれば、そのままの用量で処方が継続されるはずです。

しかし、効いていない時は通常、その薬剤ごとのルールに沿って増量をしていきます。

そして、この投与量が最高量まで行っても効かない時(ここまで3ヶ月程度かかる場合もあります)、大きく2つの対応方法があります。

一つは別の作用機序(同じ効能効果でも、効く仕組みが違うもの)を持つ薬に切り替える事。

もう一つは、別の作用機序を持つ薬を追加する事。

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本当は効かない薬は、切り替えた方が良いと思うんですが、精神関係のお薬の場合、難しいのが投与開始時よりお薬をやめる時。

なにしろ、脳内の神経伝達物質に関わる薬品ですから、今まで何ヶ月もかけて体に馴染んだお薬を急に無くすと、「離脱症状」という、これまた様々な副作用が起きてしまう恐れがあるのです。

従って、お薬の種類にもよりますが、普通は1ヶ月ー3ヶ月ほどかけて、徐々に薬を減らしていく必要があるのです。

そのため、お薬を切り替えようとすると、新しい薬を徐々に増やしながら、今までの薬を徐々に減らさねばならず、結構綿密なスケジュール管理が必要となり、多くのお医者さんは、切り替えをする手間暇が煩雑な事と、効果を早く出したい!という考えから、「切り替え」よりも「追加」を選ぶようです。(あくまで私が見てきた方に限定した話ですが)

その結果、うつ病の方の場合、抗うつ薬が3つも4つも処方され、睡眠薬が2つ入り、さらに胃薬が入る。なんて処方になっていくわけです。

これで効けばまあそれでもいいんじゃないかと思いますが、結局この状態で効いていても、どの薬の効果で症状が改善されていて、なにが効いていないのかが判らない。

さらには副作用が起こった時には、どの薬で副作用が起こっているか判断できないから、どのお薬もやめる事ができず、結局その副作用を抑えるためにさらに薬を追加する、という状況にせざるを得なくなるわけです。

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余談ですが、稀に抗精神病を投与している最中に悪性症候群(Syndrome Malin)という症状が起きる事があります。これは、精神神経用薬(主に抗精神病薬)により引き起こされる副作用で、高熱・発汗、意識のくもり、錐体外路症状(手足の震えや身体のこわばり、言葉の話しづらさやよだれ、食べ物や水分の飲み込みにくさなど)、自律神経症状 (頻脈や頻呼吸、血圧の上昇など)、横紋筋融解症(筋肉組織の障害:筋肉 の傷みなど)などの症状がみられます。(厚労省資料より抜粋)

こうなったら、まずは投与中のすべての抗精神病薬(その他の薬も含めて)を中止します。

もちろん、普通は先ほど記述したように時間をかけて止めなければならないお薬なんですが、緊急事態なので、命を優先して、まずは薬を中止します。

これは、ある精神病院の院長先生に聞いた話ですが、統合失調症で何年もその精神病院に入院していた患者さんが悪性症候群になってしまい、規定通りすべてのお薬を中止したんだそうです。

その結果、もちろん悪性症候群は改善され、命の危険は脱したんですが、驚くべき事に、統合失調症も治ってしまっていたのだそうです。

この件に関して、その先生の見解は、「統合失調症は実は早い段階で治っていて、その後の不調はすべて薬の副作用であった可能性が高い。」という事でした。

これは、本当にレアケースでしょうが、この話からだけ考えても、お薬には強い副作用があるという事がお判りいただけるかと思います。

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前置きが長くなりましたが、つまりなにが言いたいかというと、処方内容ができるだけシンプルなお医者さんを選ぶべきという事なんです。

これは、別にうつ病や、統合失調症に限った事ではなく、すべての処方に関する事ですが、

理想的には、

①核となる治療薬

②補助的な治療薬

③頓服(うつ病の場合は睡眠薬)

程度の多くても3種類程度のお薬で治療をしていくべきなのです。

本当なら、①の核となるお薬だけで済ませたいところなんです。

「お薬を沢山くれるお医者さんは良いお医者さん。」という考えの方がおられますが、

「クスリ」は逆から読むと「リスク(危険)」

つまり、薬は毒なんです。

この事から、出来るだけお薬の処方量が少ない医師を選んでいただく方が良いと思います。

あまりにもお薬が多いクリニックに通院している方は、一度、他のクリニックにもご相談される事をお勧めいたします。

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最後は大変長くなってしまいましたが、以上、 「メンタルクリニック、心療内科の選び方」

です。

内容はあくまで、私の経験に基づいたもので、主観が多く入っていますが、皆様がメンタルクリニック、心療内科を選ぶ際のご参考になれば幸いです。

ご意見、ご質問は当院までお寄せください。