ブログ:かんたんすい

先ほどラジオのニュースで「日本かんたんすい外科学会が・・・」という話しをしてたんですが、普通は「かんたんすい」と云われても、???って成りますよね。

この言葉に初めて出会ったのは筑波大学の消化器内科を担当してた頃なんで、もう20年ぐらい前なんですが、私も初めて聞いた時は???って思った記憶が有ります。
漢字で書くと「肝・胆・膵」つまり「肝臓、胆嚢、膵臓」の事なんですね。
消化器科と云うのは、大きく「肝胆膵グループ」と「管(消化器管)グループ」に分けられると云う話もそのとき筑波大学の先生に習ったんですが、当時の私は肝臓、胆嚢、膵臓が消化器管と云う事も良く解って無かったと云う、大変知識が乏しい状態で、今思えば良くあんなん知識でMRなんかしてたなぁと、お恥ずかしい限りです。


これを書いていて思い出しましたが、よく「かんじん」と云う言葉を「物事の大事なところ」という意味で使いますよね?
これも漢字で書くと「肝腎」とか「肝心」と書く訳ですが、辞書的には「人体にとって欠くことのできないものであるところから」こういう言い方をする様に成ったとの事です。

 

鍼灸治療でも「肝」「腎」「心」とそれぞれ大切な物として扱いますが、実は西洋医学の肝臓、心臓、腎臓とは少し違う考え方をします。
そのため、患者様に説明する際、「肝虚」とか「腎虚」と云う話をすると、「え?肝臓悪いんですか?」と云われるんですが、必ずしもそう云う訳ではないんです。

じゃあ、なに?と云われると、一言では説明し難いんですが、図にすると大体こんな感じです。

意味解らんですよね(笑)

この図の中で、肝は血脈を、腎は精という命の元を、心は血脈と心(こころ)を管理するという事を現しています。

なので、「肝」や「腎」や「心」の力がなくなる(虚する)と、いろんな症状が出て来てしまうのです。

ですから、東洋医学的な「肝」や「腎」と「肝臓」「腎臓」は似て非なる物。とお考えください。

もちろん、その他の五臓である、肺、脾や、六腑といわれる胆、小腸、胃、大腸、膀胱も大切で、どの一つが欠けてもこの図の中のいろんな流れが悪く成って健康を害するのです。

鍼灸治療はこの流れを整える事が基本と成る訳ですが、長く成るので、ココでは省きます。


しかし、「肝心」や「肝腎」だけじゃなくて、「脾胃」で消化器系の問題が有る!転じて「腑に落ちない」みたいな意味になったりしても良いんじゃないかなぁ?

なんて、これを書きながらつまらない事を考えてしまいました(笑)。

蛇足ですが、この図は私のオリジナルで、流用は自由ですが、特に有名な先生の監修などは受けていませんので、内容について責任は負いかねます。あしからず!